ばいばい。
あたし可笑しくなった?
「た、く。」
「ん?」
「‥なんでも、ないっ‥」
やばい。ほんとなにこれ。
息が苦しい
タクに、抱きつきたいと思った
「タクのばかっ」
「いきなりあんだよ?」
「ばかばかばかっ」
「あ?」
ドキドキして、苦しくて、
でも、その苦しみは全然苦しくなくて
心地の良い、苦しみ。
これに名前をつけるとしたら
なんだろう。
ぎゅ、っと手に力を入れると、タクの大きな手も握り返してくれた。
男の手って、こんなに大きいんだ。