Woman morbid fear
「失礼します。今回の取り引きの件、誠にありがとうございました」
「いえいえ、あの件は前から私の方からそちらに提案しようかと思ってましたし」
「ありがとうございます…」
(あのこと謝らないと…)
『あの!!』
2人の声が重なった
「あ、え、水谷さんからどうぞ」
「いえ、伊集院社長から」
「それじゃあ…」
彼はいきなり頭を下げだした
「先日は本当に失礼なことを口走ってしまって…ごめんなさい!!」
「は?!え、いやこっちこそあんな大人げない態度とってしまったわけで…」
「いや!悪いのは僕です!!すいません!」
「そんなことないですって、顔上げてください」
「ありがとうございます…」
顔を上げたと同時にノックが聞こえた
コンコン
「はい」
「僭越ながら社長。次の仕事のお時間がきております。」
「わかった、すぐ行く。
すいません水谷さん」
(クソまた心臓が痛てぇ)
「いえ、本当に今回はありがとうございました。こちらはいいので、どうぞ次の仕事に」
「ありがとうございます。今度お詫びでもさせてください。それでは失礼します」
そう言って秘書みたいな人と一緒に出て行った
(意外なことになったなぁ…
帰ろ…)