Gメン達の挽歌【短編】

一仕事終えて、家路につく。

禁煙法施行前までは、あれほど道端に落ちていたタバコの吸殻。

今は、もう”フィルター”一つ落ちていない。

思えば、どれだけの永い時間タバコという害悪に、この国は犯されていたのだろうか。



俺は禁煙法が施行されるよりもずっと前にタバコを辞めた。

健康の為でもあったが、一番大きな理由は経済的理由だ。

一箱３００円の頃だったが、結婚し家庭を持ってからは、かなりの負担だった。

一日一箱吸っていたので、一ヶ月９千円。

年間十万円以上もタバコに使っていた事になる。




「馬鹿げた話だ」