僕とサンタクロース。
そして、ついに夜になったのだった…。

「優太、寝る時間よ」
ママに、連れてかれて布団に入った。

「サンタさん…会いたかったな」
「仕方ないでしょ…おやすみ」

「うん、おやすみなさい…」

ドアが閉まる音を聞いた後、ゆっくりと目を閉じた。


《カタン…》

微かな音に気づいて、優太は目を覚ました。

「ママ…?パパ…?」
眠い目をこすり、起き上がると、ボンヤリと人影が写った。


ーだれ、だろう…?ー


目が、慣れて来ると月明かりに照らされて姿が、ハッキリと分かった。

「サンタさん…?」

「……おっと、確か…君は優太君だね」
「僕の名前知ってるの?」

驚いて、目を見開く優太を見てサンタさんは笑って言った。

「フォッフォッフォッ…ワシは、何でも知ってるよ」

笑うと目が無くなるサンタさんを見て、優太は嬉しくなった。

「サンタさんに、会えるなんて!僕、嬉しいよ」

「ワシは人見知りじゃから、余り会いたくなかったんじゃがな…」

…と言って苦笑いをしているサンタさん。

「僕は、サンタさんに会えて嬉しいよ!」


ニッコリと微笑む優太に、サンタさんは優しく頭を撫でてあげた。

「ありがとう優太君…ワシは、他の子供達にもプレゼントをあげなくちゃいけない」

「もう、行っちゃうの?」

「あぁ…そうだ、プレゼントをあげよう」

サンタさんは、優太にプレゼントをあげると、窓の外で待っていたソリに座り、トナカイが前に進むとゆっくり空高く飛んで行った。

星空が綺麗に瞬く中で、《メリークリスマス》と、サンタさんの声が響きわたった。
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