ダーリンは俺様王子。
☆樹side☆
「夜逃げじゃねぇよ!昼間逃げてんだから…昼逃げなんじゃね!ハハハッ♪」
「なっんで…アンタがここに…」
「アンタ!?お前に誰に向かって言ってんだ?」
と俺は女の頭に手を乗せ、髪をグシャグシャにした。
「しっかし!なんだここ?犬小屋か?汚っねぇな」
「汚いとは何よ!犬小屋とは何よ!なんでアンタがここにいんのよ!ウワーン」
げっ…
泣き出しやがった…
目の前に座り込んで大泣きする女を見て
仕方ないなぁと女の前に俺はしゃがんだ。
「だいたい俺を誰だと思ってんだ?八女財閥の息子だぞ!その気になれば、なんでも出来んだよ!!」
「…グズ。ゥッ…だっ…だから?クリーニング代でも請求しに来たの?見てのとおり今は無理だからね…。グズ…」
涙でグシャグシャな顔で、鼻を啜りながら女が言った。
「バッカじゃね~そんなはした金せびり来るかよ!」
「じゃあ何のよう?」
「言っただろ?覚悟しとけって!」