君と歩く未来

第二章 柊の過去

柊は、ゆっくりと話し始めた。
「例えばさ、おまえに好きな人がいるとするじゃん」
「はぁ？！」
「まぁ、聞けよ。でも、その人がおまえを受け入れてくれなかったらどうする？それでも諦めない？」
柊の、質問に少し戸惑った。
「本当に好きなら、諦めないと思う。だって、好きな人と幸せになりたいし。それが本当の幸せだと思うし」
夏姫は言った。
柊は、夏姫の言葉に一人の女の子を思い浮べていた。
《柊、好きだよ》
《大好きだよ。だから、柊は私以外の人と幸せになっちゃだめだよ。柊と幸せになるのは私なんだからね。それが、本当の幸せなんだから》





「柊？」
柊は夏姫の声で我に戻った。
「あっ、ごめん。ちょっと昔のこと、思い出してて」
柊は言った。
「昔のこと？」
夏姫は言った。
「夏姫と同じこと言ってた子がいた」
「えっ？」
「俺の幼なじみ」
柊は言った。
「幼なじみ？」




柊は、すべてを夏姫に話そうと決意した。