君と歩く未来
「あっ、いや、ごめん」
夏姫は謝った。その人は笑っていた。
「変なやつ」
夏姫は、その人の笑顔にドキッとした。
「何やってんの?」
「あっ、進路のやつ。考えてた」
夏姫は言った。
「ふーん。迷ってんだ。俺も迷ってるよ」
「そうなの?」
「うん。だから、一様就職にしようと思ってる」
「そうなんだ。私も、就職にしようかなぁって思ってるよ」
夏姫はなんだかすごく嬉しい気持ちになった。
「じゃ、お互い頑張ろな。夏姫ちゃん」
その人はまた笑った。
「えっ、なんで名前知ってるの?」
夏姫は訊いた。
「だって、クラス一緒だろ。もしかして、俺のこと分かんないとか」
「・・・・ごめん」
夏姫は正直に謝った。
「なんかショックなんだけど・・・・・・まぁ、仕方ねぇーな。俺、岡谷柊(オカヤシュウ)。柊でいいから。よろしくな」
「よろしく」
夏姫は言った。
「夏姫って、呼んでもいい?」
柊が訊いてきた。
「いいよ」




これが、柊との出会いだった。





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