君と歩く未来
「そんな・・・・嘘・・・・・」
夏姫はまだ信じられなかった。
「嘘じゃないよ。柊は、夏姫ちゃんのことが好きだった。今も好きだよ」
未来は言った。
「柊は、なんで言ってくれなかったの?」
夏姫は訊いた。
「私が、言わないでほしいっていったの。柊が夏姫ちゃんを好きなこと認めたくなくて。ごめんなさい。謝っても許してもらえることじゃないって分かってる。私が二人を引き裂いたんだから」
未来は頭を下げた。涙声になりながら、本当のことを言ってくれた。
「謝らないで。未来ちゃんが悪いわけじゃないから」
「ううん。私が悪いの。夏姫ちゃんも柊も苦しめて。最低なことした。本当にごめんなさい」
「未来ちゃん・・・・」
夏姫は未来ちゃんがどれだけ柊のことを好きだったかが分かった。
「お願い。夏姫ちゃん、柊に会いに行ってあげて。夏姫ちゃんも、まだ柊のこと好きなんでしょ」
未来は言った。
「柊が夏姫ちゃんを避けてたのは、夏姫ちゃんのそばにいたら、自分の気持ちを抑えられなくなりそうだったから。私との約束を守るために、夏姫ちゃんを避けてた。柊、苦しんでた。自分じゃ、夏姫ちゃんを幸せにできないって」
「柊はそんなこと言ってたの?」
夏姫の目から涙が溢れてきた。





柊は、ずっと私のこと想ってくれてたんだね





私のこと、考えてくれてたんだね






柊に会いたいよ






会いに行ってもいいですか?







< 95 / 105 >

この作品をシェア

pagetop