Monsoon Town
そのうえ、敬称までつけていることにもあきれた。

フツフツとわいてくるイラ立ちを隠すように、陣内はコーヒーをすすった。

「陣内、明日もホットケーキに決定な」

そう言った藤堂に、
「ブッ!」

陣内は思わずコーヒーを吹いた。

「嫌がらせか!?」

「別に」

藤堂はクールに返事をすると、プイと横を向いた。

ひまわりはホットケーキを頬張りながら、クスクスと笑っていた。

「それよりも、そろそろ時間じゃないのか?」

「チッ…」

陣内は舌打ちを1つすると、リビングを出て洗面所へと足を向かわせた。
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