Monsoon Town
「それから…」

まだ何かあるの!?

そう言う意味も込めて、那智は伏せていた目をあげて陣内をにらんだ。

「もう少し現実に目を向けたらどうだ?」

そう言った陣内に、
「はっ…?」

那智の口からマヌケな声がこぼれた。

一体、何を言っているのだろうか?

「お前、本当はモテるんじゃないのか?」

「ちょっと、何をおっしゃっているのですか?

私、全くと言っていいほどにモテないんですけど…」

「何で?」

そう聞いてきた陣内に、
「モテないものはモテないんです!」

那智は言い返した。

その答えに陣内はため息をつくと、
「お前、どれだけ自覚がないんだ?」

呆れたように言った。
< 163 / 433 >

この作品をシェア

pagetop