Monsoon Town
ひまわりはニコッと笑うと、
「さっきからすれ違う人が陣内さんを見てるなって」

陣内は訳がわからないと言うように首を傾げた。

「陣内さん、すごくかっこいいから見ちゃうんだろうなって思って」

「かっこいいって…」

「だって、本当にそう思いますもん!

背も高いし、顔立ちも端正ですし…あっ、また見た!」

手をあわせて自分のことのように喜ぶひまわりに、陣内の頬がゆるんだ。

そんな2人のやりとりを、藤堂が微笑ましそうに見つめていた。

しばらく歩いていると、ひまわりが足を止めた。

「どうした?」

そう聞いた陣内に、
「――かわいい…」

ひまわりは呟いた。
< 187 / 433 >

この作品をシェア

pagetop