Monsoon Town
自嘲的にそう思いながら、陣内は乾いた口内にレモン水を流し込んだ。

サッパリとした水が喉を通った。

「とりあえず、陣内さんがおつきあいしているお方ではない。

確かなことですね?」

「ああ」

陣内は首を縦に振ってうなずくと、
「それで、さっきまで一緒にいた人は誰だったんですか?」

陽平が聞いてきた。

「えっ?」

「OLの女の人、あの人は誰なんですか?」

そのことかと、陣内は思った。

「彼女は俺の部下だ」

陣内は言った。

「部下?

恋人ではなくて?」

チクリと、陣内の胸がまた痛んだ。
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