Monsoon Town
蛍
夢を見た。
「――待って!」
ああ、またあの夢か。
幼い頃から何度も見た夢の結末は、わかっている。
なのに、
「待って!
置いてかないで!」
追いかけても、追いかけても、背中は遠くに行っていく。
その背中の主は、決して振り返ろうとしない。
なのに、追いかけている自分がいる。
それでも振り向いて欲しいから、自分はその背中を追いかけている。
何度も何度も声をあげながら、何度も何度も声が枯れるまで。
「――待って!」
ああ、またあの夢か。
幼い頃から何度も見た夢の結末は、わかっている。
なのに、
「待って!
置いてかないで!」
追いかけても、追いかけても、背中は遠くに行っていく。
その背中の主は、決して振り返ろうとしない。
なのに、追いかけている自分がいる。
それでも振り向いて欲しいから、自分はその背中を追いかけている。
何度も何度も声をあげながら、何度も何度も声が枯れるまで。