Monsoon Town
「すまない、つい…」

「ついって、何ですか?」

「いや、何も」

「変なの」

プイッと顔を横に向けたひまわりだったが、目はしっかりと陣内を見つめていた。

陣内は大げさにため息をつくと、
「わかった、アイスを奢ってやる」
と、言った。

ひまわりがこちらの方に視線を向けたかと思ったら、
「ホントですか!?」

笑顔と同じくらいの明るい声で言った。

「俺がウソをつくように見えるのか?」

そう言い返した陣内に、ひまわりは首を横に振った。

「じゃ、行くぞ」

2人で一緒に歩き出そうとしたら、
「――ミユ!?」

その声が聞こえた。
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