Monsoon Town
「けど、お仕事があったんですよね?」

「まあ、それは…」

確かに、今の陣内の服装はスーツである。

「本当は、取引先の会社と打ちあわせがあったんだ。

けど、何か嫌な予感がしたんだ。

でも…無事でよかった」

そう言った陣内に、ひまわりの顔があがった。

陣内はホッとしたように笑顔を見せると、
「よかった、俺を見てくれた」
と、言った。

ひまわりは少しだけ目を伏せると、
「取引先のお仕事、大丈夫だったんですか?」

言いにくそうに呟いた。
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