Monsoon Town
「まあ…それは、藤堂がどうにか対応してるはずだ。

それに取引先の会社の社長は私の知りあいだから、許してくれるだろう」

「許してくれなかったらどうするんですか?」

「まあ、それは仕方ないな」

そう言って笑った陣内に、ひまわりもつられるように笑った。

「陣内さん」

「んっ?」

ひまわりは恥ずかしそうにうつむくと、
「さっきの話は本当だったんですか?」
と、言った。

「さっきの話って?」

「わたしを、陣内さんの妻にするとか何とかって…」

そう言ったひまわりに、陣内は目を伏せた。
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