Monsoon Town
彼女の口から、自分の言ったセリフが出てくるとは思ってもみなかった。

こうして聞くと、恥ずかしくて仕方がない。

だけど、隠す必要もないだろう。

「そもそも、それって…」

「結婚するんだよ」

言いかけたひまわりをさえぎるように、陣内が言った。

「け、結婚ですか…?」

初めて聞いた単語のように、ひまわりが聞き返してきた。

「要は、ひまわりは俺と結婚すると言うことだ」

そう言った陣内に、ひまわりは目を見開いた。

「――陣内さん、あの…」

言いかけたひまわりに、
「――俺と、結婚してくれるか?」

陣内が言った。
< 417 / 433 >

この作品をシェア

pagetop