Monsoon Town
「――何て、言ってたんですか?」

声が震えているのは、怯えているからだろう。

「幸せにしてくれって言われた。

それから、悪かったと。

許してくれないのはわかってるけど、今まで悪かったって」

「…そうですか」

不安そうに言ったひまわりの肩を、陣内は抱き寄せた。

「陣内さん?」

ひまわりが驚いたのは、気にしないことにした。

「――俺が、お前を幸せにする」

そう言った陣内に、ひまわりは微笑んだ。

「ありがとうございます。

でも、わたしはもう幸せです」
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