結婚恋愛


あれは治らないだろうなぁ、と美世は結い上げていた髪を下ろす


「美世、ご飯温めたわよ。食べなさい」

「はぁい」


開いていた手帳を閉じて、美世は居間へと戻る


「あなた、何歳になったっけ?」

「今年で26。どうして?」

「結婚してもおかしくない年よね。恋人とかいないの?」


食べる手を止めて、美世は母を恨めしげに見つめる


「いないわ。そんな予定もない」


冷奴に醤油をかけながら、食事を開始する


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