結婚恋愛


全然気づかなかった

涙目で彬を睨んで、美世はカバンからスカーフを取り出す


「そんなに恥ずかしいかな?」

「キスマークがついているのに、堂々と出社して来るどなたかと、私は違うんです」


スカーフを巻いて、美世は彬に軽い嫌みを口にする


「機嫌悪いね、美世ちゃん」

「誰のせいだと・・・」

「昨日は可愛かったのに」

「ッ────!!!」


赤くなる美世の反応を楽しむように、彬は満足げに笑っている


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