結婚恋愛


気まずい空気から逃げ出すように、美世は車を降りた


(ちょっと寝不足・・・)


あくびを我慢しながら、美世は会社を仰ぎ見る


「美世!」


そんな美世の名前を、親しげに呼ぶ男の声

振り返った美世の眉間に、深いシワが浮かぶ


「松崎 透・・・」


思い出したくないことが、笑顔で手を振っている

手帳の中の名刺、捨てればよかった


そう思ってしまうには、少し遅すぎたのかもしれない


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