結婚恋愛
隠す女と危うい男


背後で感じる彬の視線は、目の前で笑っている男よりも痛い

美世は背後を気にしながら、目の前の男に歩み寄った


「久しぶり。綺麗になったな」

「・・・私、クリスマス、年末に向けて忙しいの。用があるなら、来年、また来てもらえる?」


それじゃ、と美世は背を向ける


「お昼、ちょっと時間くれないか?」

「・・・考えておくわ」


美世は一瞬立ち止まって、歩き出した


「行きましょう、社長」


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