結婚恋愛


〝秘書〟の自分が〝妻〟になった

そう思いながら、違っていたことに気づく


「私・・・社長が好きなんだわ・・・」


いつの間にか、彬の隣にいた自分は〝秘書〟ではなかった

〝女〟としての自分が顔を出す

それを隠すため、面倒な女だと思われないため、〝秘書〟の影に自分を隠した


「本当・・・卑怯な女」


自嘲の笑いで、美世は流れ出た涙を誤魔化す


「・・・泣くな、私・・・」


< 474 / 706 >

この作品をシェア

pagetop