結婚恋愛


───ピッ


電話を切り、彬はガラスに映る自分の顔を見ていた

外は真っ暗

ビルの明かりが遠い


「・・・・・・美世・・・」


触れたガラスは冷たい

以前は1人が当たり前だったのに、今は1人の部屋が不自然に思う

たった1人、いないだけなのに


「社長じゃなくなるのは、恐くない。恐いのは・・・」


社長でなくなった時、美世がいなくなること

それがたまらなく、恐ろしい


< 494 / 706 >

この作品をシェア

pagetop