結婚恋愛


「いえ、まだ全然ありますから」


美世の答えに、園子は残念そうな顔をしていた






書斎は暖かく、過ごしやすい温度に保たれていた


「やぁ、父さん」


重ねられた本の隙間に、父の姿が見える


「来てたのか。話は聞いている。川東を左遷したそうだな」

「不満?」

「何も言うつもりはないさ。私はお前に会社の全てを任せたんだ。誰を辞めさせるか、残らせるか、決めるのはお前だ」


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