結婚恋愛
「見合いをしてきた」
「・・・・・・そうですか」
掠れた低い声に、美世はゆっくり歩み寄る
汗をかいている額を、服の袖で拭う
「見るからにお嬢様、という子達だったよ」
「・・・・・・気に入った子はいましたか?」
「遊びなら、軽い子でもいい。けど、結婚する気にはならない。だからといって、あんなお嬢様とも結婚する気にはならない」
起き上がる彬に、美世は黙って水を渡す
受け取った彬は、邪魔な前髪をかき上げてペットボトルを開ける