パフュームに繋がれて-紗枝の場合-
2人の出会いが本気で“運命”みたいだし…。って、そんなガラじゃないけど…――
「あーどうしよう、…行くか?鍵はあるけど…、でもな…」
そうしていつも通りにキッチリ定時で退社したけど、今日はいつもと向かった先は違う。
マンションの前でウロウロしながらブツブツ呟く私は、相当ヘンな人かもしれないけど。
彼氏のマンションに入る事すら迷うのには、私なりの理由があるんだよね…。
「あー…よし、行こう!」
散々ブツブツ不満を漏らしてみても、やっぱりユキヤの事が好きだという確認になるだけで。
色々悩んでいる最中だからこそ、ナーバスになっているのかもしれない。