パフュームに繋がれて-紗枝の場合-
ウンウン頷いてムリヤリ自分を納得させると、エントランスへと足を踏み入れた―――…
付き合って3年になる彼氏のユキヤは、大手の自動車部品製造会社に勤める私より5歳上の人。
キッカケは大手企業に勤める友人から、人数合わせに誘われて仕方なくのコンパだった。
私以外の子は名の知れた企業に勤める華やかOLなのに、何故かしら物珍しいヤツは私を気に入ったらしい。
ただの遊びなんて勘弁だからと、頻繁に来るメールにも華麗にあしらってシカッティングしていたのに。
それでもヤツの辞書には“めげる”という文字が無かったらしい…、何と私の会社へと笑顔で現れやがったのだ。
“誘ってダメなら、押し掛けたら断れないだろ?”とか、フツーにあり得ない思考回路をしていたユキヤ。
…なんて言いつつ、その頃には毎日届くメールを楽しみにしてる自分がいたんだけどね―――