たった一つの星
でもそこに待っていたこうきの顔は、あたしが思っていた顔とはちがく、何もないかのような普通の顔だった。あたしはその瞬間、こうきにネームを渡し、そのままなにも言わずに走ってその場を立ち去った。
「どうして何も言ってくれないの?どうして普通の顔なの?」
あたしはそんなことを考えながら、こうきが見えなくなるまで走り続けた。後ろを振り返ってもこうきは追いかけてはこない。
(あたし…これですべて終わっちゃったんだ…。)
涙が溢れてきた。その場で泣き崩れていた。
その日の夜、あたしはこうきへさよならのメールを送った。
TO:こうき
---------------------
こうき、あたしはこうきのこと
すごく好きで別れた後もたくさん
逢いたいいって迷惑かけたね。
あたし、戻ってきてくれるって
ずっと思ってた。でもこうきに
とってあたしはやっぱり友達
なんだよね。ごめんね、
今日、こうきの顔をみてはっきり
わかったよ。このネームを返したら
終わりって感じが伝わってきた。
こうきこんな弱いあたしでごめんね。
もう頼らないから、安心してね。
-END-
あたしは泣きながら最後のメールを送った。
それから10分頃こうきからメールがきた。