たった一つの星
『やりまくってるって』
(いつかあたしもやられるの?)
初めてのキスを奪われ、そんな初体験まで奪われたくなかったから…。でもあたしはその数日後あっけなく初体験を奪われた。泣いても泣いても、すべてあたしが悪いんだ。そう思いあたしはその日2度目の別れを告げた。
毎日、毎日あたしに言っていたじゅんの言葉。
「好き」
「離さない」
(好きならあたしをどうして、大切にしてくれなかったの?離さないって言うならどうして、あたしの嫌がることをするの?)
この日、初めてあたしは男に軽蔑という言葉を覚えた。
あたしは、当分恋なんかしないと決めた中学3年の春だった。