たった一つの星
瞬間
あたしはそれから、中学校を卒業した。
-春休み-
「りな…今から逢える?」
「どうしたの?」
「ごめんね。こんな夜中に、」
「大丈夫だけど、今から行く?」
「ごめんね。ありがと…」
時刻は夜中の1時。友達のゆみからだった。
ゆみは可愛くて、半年付き合ってる彼氏がいた。
そんなゆみが泣いて電話してきたってことは、たぶんまた喧嘩したのかなと思い、あたしはすぐにゆみの家にいった。
「りな…あたしね、別れちゃった。」
「なんで…?」
「わかんない…」
あたしは深くは聞かなかった。
ゆみの彼氏はほんと自分勝手な男だったから。
(結局、男なんてみんなそんなもんだよ?)
あたしは、泣いているゆみにはゆわず、ただ心で思った。