【短】好きな人には彼氏が。
物心ついたときから、いつも隣には花梨がいた。

でも近くにい過ぎて、逆に気付かなかったのかもしれない。


俺は花梨以外の子を好きになり、付き合ったりもした。

普通に充実してたし、幸せだった。


その頃の花梨は、なぜか見る見るかわいくなって……

まじでかなりモテてた。


それでも誰とも付き合わない花梨に、どこかで安心してた気がする。




信人を紹介したときも、信人には悪いけど正直…うまくいくなんて全く思ってなかった。


そんなある日。


「花梨ちゃんと付き合うことになった!!」


大学の講義の前、笑顔の信人が報告してきた。


「え…あ、おめでとう」


このときかな、初めて違和感に気付いたのは。


学部は違うけど同じ大学だったから、よく二人が一緒にいるのも見るようになった。

それを見る度、心がザワザワしてた…。
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