【短】好きな人には彼氏が。
始めは気のせいだ、勘違いだって思い込むようにしてたけど……

彼女といるときも上の空で、もう認めるしかなくなった。


「ちょっと翔太!!百合ちゃんと別れたんだって!?」


こんな話題でも、花梨に話しかけてもらえてうれしかった。

ドキドキしてた…。


「そうだけど…花梨には関係ねぇじゃん」


こう答えるのがいつもの俺。


”いつも”の自分から抜け出せなかった。

抜け出すのが怖かった。




「もう!!何かあったなら相談してよね?水臭いじゃんっ」


花梨が俺を気にかけてくれるのは幼なじみだから。

分かってるけど、すごくうれしかった。


「信人も心配してたよ?」


何で…?

何で花梨は俺のことが好きじゃねぇの?


俺が好きだって言ったら、もう笑いかけてはくれねぇの?


胸が押し潰されるって、こういうことなんだと初めて知った。
< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop