赤ずきんちゃんと狼くん-結婚編-
「じゃあ、続きしようか」
そういって再び動き出す彼の手と唇。
「‥え?い、いや‥っ!」
精一杯の抵抗を試みるが、男の人の力、ましてや人間よりも力のある狼に勝てるはずもなかった。
―――そこへ、
「おやおや。若い人は元気だねぇ」
扉を開けでふふふっ"と笑いながら現れたのは、わたしが探そうと思っていたこの部屋の主、おばあちゃんだった。
ふと、今の状況を思い出したわたしは、゙きゃぁ!"と叫んで足元にいる両手を抑える力の緩んだ彼を突き飛ばした。
゙痛っ"といってベッドから落ちた彼。
そんなわたしたちを見ていたおばあちゃんは再びふふ、と笑った。
「二人とも、お腹すいてないかい?」
そういっておばあちゃんが差し出したのは、温かそうなスープとパン。
それを見たわたしのお腹は小さく鳴ってしまった。
「さあ、どうぞ」
恥ずかしい気持ちを抱えたまま゙いただきます" といっておばあちゃん特製の温かいスープを飲んだ。