空っぽのfifteen
birth
今から15年前。

アタシはこの世に生を受けた。

別に誰もアタシの誕生なんて、誰一人として望んじゃいなかった。

アタシ自身、産んでくれなんて頼んだ覚えもない。

だけど、この世に産声を上げてしまったのだ。


普通、赤ん坊が生まれたら、猿みたいに赤らんだしわくちゃな顔でも『可愛い』とか喜んだりするものだろう?

だけど、アタシを出迎えてくれる『父親』の姿はそこにはなかった。

そう。
アタシは私生児。父親のいない子。

それが幸か不幸かは分からない。

ただ言えるのは『祝福されざる子』だと言うこと。
それでもアタシは生きてる。

胸に手を当てれば、力強く鼓動打つ心臓が感じられる。

空を見上げれば、美しいと思える心も兼ね備えている。

でも、それは『母親』という人間が教えてくれたわけではなかったけどね。

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