空っぽのfifteen
しかし、今こうやって明美を見ると、服装こそ派手なものの化粧はアゲ嬢なんかよりもかなり薄い。

つけまつげなんか着けなくてもいいくらい、フサフサと長いまつげ。
ちょっと日本人離れした彫りの深い目鼻立ち。

歳よりもうんと若く見え、服装によっては女子大生くらいに見えなくもない。

まぁ、女子たちが騒ぐように【綺麗なお姉さん】に間違いはない外貌だ。
こんなイイ女なら、男どもが放っておくはずもないのに母親とは違い、明美には男の影がまったく見えない。

最初の結婚で男に嫌気でも差したのだろうか?
いや、何も結婚だけが男女の在り方ではない。
恋人の一人くらいは居ても良いとは思うのだが。

冷静沈着なアタシだが、それでもやっぱり15歳なワケで。
好奇心とやらは、人並みにある。

ましてや我が家にはあるべきはずの【男】がいないわけだから、異性について興味がある。

学校にもアタシと異なる性別生命体はいるが、アレはまだ【男】ではない。

ただ単に、股間に余分なモノを生やした生命体に過ぎない。
< 11 / 22 >

この作品をシェア

pagetop