空っぽのfifteen
どうにもこうにも気になって明美に聞いても『別に必要ないから』とはぐらかされるだけだった。


アタシみたいな子供にはまだ早いということなのだろうか?
知りたいけど教えてもらえないもどかしさ。

まぁ、そんなことを言っても当の明美が言いたがらないのだから仕方がない。

綺麗で面倒見が良い明美には男の影がないのに、それほど綺麗でもなく、自分の子供の面倒すら見ない母親には、絶えず男の影が見え隠れする。

パトロンは勿論のこと、それ以外にも大勢いる。

アタシがまだ【男】と【女】の区別が出来なかった頃、しばしば母親は男を家に連れ込んでいた。

ある晩、アタシは怖い夢にうなされて目を覚ますと、母親が帰宅した気配を感じ、母親の部屋に行くと、そこで母親は裸でカエルがひっくり返ったような格好をして、その母親には裸の男がのし掛かっていた。

アタシは何故そんな格好をしているのかが分からず、素直に母親に『何してるの?』と尋ねると、裸の男は慌てて母親から離れ、逃げるように家を飛び出していき、母親はその男を呼び止めながらもアタシを憎悪の目で睨んだ。

後にそれが【セックス】というものだと知ったのは、小学校5年の保健体育の授業のときだった。
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