恋して、チェリー
‐‐‐‐ガラスのハート
「わっ、何その顔!」
「まぶたが腫れてるね……」
朝、席に付いたあたしに、朝いちで話しかけてくるふたり。
「でもお肌はピチピチ」
そう言ってほっぺをつつく比奈に
「なんで?」
率直な疑問を口にするキナ。
お肌のパックは間に合ったけどまぶたの腫れは間に合わなかった。
あんなに優しくされたら、お姉ちゃんだって泣いちゃうよ。
溢れ出した涙は、朝方まで止まらなかったのだ。
訳を話すと、いい兄弟を持ったね……と、ふたりとも優しく笑ってくれた。
今日は胡桃ちゃんからの攻撃はなくて、廊下ですれ違うことなく終わった。
「さ、話してもらおうか」
ドンと構えるキナに、少したじろぐ。
「その前にふたりの経験について聞きたいの」
「「え、?」」
胡桃ちゃんのあの言葉が、頭から離れてくれない。
はっきりさせたいの。
付き合ってもう1ヵ月を過ぎたのに……
エッチを迫って来ないってことはあたしに魅力が――ないってことなの?
「付き合ってから初エッチまで、ふたりはどのくらいだった?」
このふたりだからこそ聞ける質問を、素直にぶつけた。