恋して、チェリー

‐‐‐藍色の粒のナミダ



どれくらい、眠ってたんだろう。


まるで深い眠りから覚めたように……真っ白な天井がやけに無機質に見える。



枕元に転がってるケータイを取ってみると、まだ30分も過ぎていなかった。


相変わらず、胸はズキズキと痛んだまま。

応急措置もままならない。




「新着メール1件?」

比奈にメールを送ったことをすっかり忘れていたあたしは、そのまま開いた。



【From:比奈】

休み時間、
王子が会いに来たけど

ちぇりは早退したって
嘘言っちゃった♪


今は
会いたくないんでしょう?

…お大事に!


---END---



自分からひとりになりたいと言い出したクセに、恭一くんが来てくれたと知った途端。



「会いたい……」

こんなにも、自分勝手なあたしがいて。


「もう少し、……寝よう…」

今会ってしまったら、あたしは自分のことばっかりで。

ヒドい言葉ばかりを、言ってしまう。


今は王子を傷付けたくないし、何より自分も傷付けたくない。


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