恋して、チェリー
「実は……」
張り詰めた空気の中、比奈が重い口を開いた。
ずっと、おかしいって思ってたの……。
3日、あたしが学校を休んだ間。
恭一くんは1度もメールをくれなかった。
元々、そんなマメな性格じゃないしメールの内容もそっけない。
でも、あたしが倒れて保健室で寝ていたあの日――。
息を切らして、走って来てくれた……。
もう彼の中で、あたしの存在はちっぽけなものに変わってしまったのか。
「明日は学校、行くから」
話を聞き終わると、ふたりを返した。
明日……ちゃんと話そう。
その日の夜、明日……例の場所で待っているとメールを送ってみたけど。
「もう、ダメなのかな……」
真っ黒なままの画面に、涙がひと粒こぼれ落ちた。