恋して、チェリー


何で、これがここに――?



「……恭一くん……」

きっと、あなたでしょう?


琥珀の月を、……手の中に拾い上げる。

太陽にかざせば、汚れた校舎に浮かび上がる小さな光たち。


キナと比奈とお揃いした、ストラップのサンキャッチャー。



もしかしたら、違う誰かのものかもしれない。

ただの落とし物かもしれない。



でも、今だけは。


「恭一くん……」

自惚れてもいいでしょう?


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