恋して、チェリー
「……」
……所詮食べ物か。
でも。
ココとナナにこの前のコンビニのアイスのお返しをしたいのね?
何だかんだ言って、優しいんだから。
OKのメールに、電車が着く時間も打ち込む。
重たい体を引きずるように歩いていくと、肩に掛けていたバッグが急に軽くなる。
「ありがと」
ちゃんと時間通り来てくれたハルが待っていてくれた。
「……うま」
さっそくお店に入ったあたし達はかき氷を注文。
ハニーミルクに、苺ミルク。
シャクシャクとスプーンで氷をつつくのを見ると、ハルはやっぱり等身大の小学生だ。
ま、中学生に見えなくも……ないけど。
「プール行ってきたんでしょ?」
「え? あ、うん」
ナンパされて終わったとも言えず……。
「アイツと行ったんだろ、どうせ」
ニヤニヤと笑うハルに、ズキリと心が痛む。
まだ言ってないんだよなぁ……、恭一くんと別れたこと。
「違うよ、キナと比奈と行って来たの」
ピンク色の氷をスプーンに一口だけすくう。
「は?」
信じられない様子のハル。