恋して、チェリー


氷が喉を通ったはずなのに、今は焼けるように熱くて。


心臓までが、ドクドクと嫌な音を刻み始めた。


「な、に……?」

覚悟を決めて、次の言葉を待つ。



「母さんと父さんが早く帰って来た日あったろ?」

「ん? ……うん」

忘れもしない、あたしが恭一くんの家へ行きたいと大胆発言をした日……それを、断られたあの日。



「その日、アイツと会った」

――数日前から会う約束をしてたんだ。


そう続けるハルに、頭が付いていかない。

な、に……?

会ったってどういう……こと?



「な、そもそも連絡先……」

「知ってたんだよ」

――遊びに来た時聞いた。



恭一くんがあたしを送ってくれた時?

一緒にごはんを食べた時か……、本当、いつの間に。


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