恋して、チェリー


「あ、あの人って……?」

「全ては今日の放課後、その時に分かるから」

――いい?

アイツが“自分の意志”で、ちぇりちゃんの元に戻ったのなら。

もう2度と、手を離しちゃダメだよ。


ココがイチバン、重要なんだからね?


意味深な笑みを残して、アキ先輩はドアの向こうに消えていく。



“何か”が、起きる。

それが何なのかは分からないけれど。

恭一くんの想いを知ったあたしはもう、くよくよなんてしない。


もう1度この気持ちを伝えるの。



曇り空続きだったあたしの心は、この空のように澄み切ってる。

少し伸びた髪を。


久しぶりに、ポニーテールに結びなおした。


< 195 / 202 >

この作品をシェア

pagetop