恋して、チェリー
「あ、あの人って……?」
「全ては今日の放課後、その時に分かるから」
――いい?
アイツが“自分の意志”で、ちぇりちゃんの元に戻ったのなら。
もう2度と、手を離しちゃダメだよ。
ココがイチバン、重要なんだからね?
意味深な笑みを残して、アキ先輩はドアの向こうに消えていく。
“何か”が、起きる。
それが何なのかは分からないけれど。
恭一くんの想いを知ったあたしはもう、くよくよなんてしない。
もう1度この気持ちを伝えるの。
曇り空続きだったあたしの心は、この空のように澄み切ってる。
少し伸びた髪を。
久しぶりに、ポニーテールに結びなおした。