恋して、チェリー
‐‐本気ビンタ★2連発
「はぁ~…、疲れた、トイレ」
「やだっ、おばさんクサ~い」
と、比奈に煙たがられる。
そんなこと言ったって、おバカなあたしには午後の授業は結構こたえるの……。
ピンク色のケータイをイジる比奈の前で重い腰を上げ教室を出た。
はぁ~……
あと、もう1時間かぁ。
でも、今日の授業が終わったらあの人に会いに行こう!
そして……一緒に帰っ、
「あっ、いたいた!ちぇりちゃ~んっ!」
と、見事にあたしの心の声を遮った人物。
「あれ?……あなた」
そう、目の前にいる少し息を乱した男の子。
「クラスにいないんだもん。探したよ」
ニヘラ、とどこか気の抜けた笑顔をあたしに向けるのは。
――そう、あの人……恭一くんの隣にいたチャラ男子だった。
「あの……ナンデスカ?」
「ぷぷっ」
――ちぇりちゃんの気の抜けた顔結構カワイイね。
って。
……はいっ?
恭一くんならまだしも、この人があたしに一体何の用があるのか。
まだ見い出せないあたしは、アホ面を披露してしまった。
「警告しとこうと思って」