恋して、チェリー
◇ * ◇
「キュンときちゃう」
「でしょっ?」
うっとりしている比奈に、クラスの男子がうっとりしてる。
「で、毎日のようにアタックを続けてたら、ある日彼が折れたと」
キナが続ける。
「あはっ、ポッキーみたい」
パキッと小刻みいい音を出しながら比奈がお菓子をかじった。
「そう、なんだよね……」
あの日から、恭一くんはあたしが付いて行っても逃げることはしなくなった。
きっと、逃げても逃げても何度も見つけてしまうあたしに諦めたんだろう。
その日も、いつものように。
――『好きですっ!付き合ってくだs『分かったから』
……え、は……?
一瞬でショートしてしまった。
こんなのってアリ?
確かに、告白の言葉なんて毎日のように言っていたけど。
あたしだって、軽い気持ちで言ってるんじゃない。