恋して、チェリー
爆発してしまう気持ちに素直なだけなんだもん。
いつだって、その言葉を言う時はドキドキしてるの。
そして、断られる度に傷ついてるんだよ。
表面上、元気に振る舞ってはいるけど。
傷付く度に、何度も縫い合わせたちぐはぐなあたしのハート。
そして、付き合って1ヵ月。
悩みの種だった“ギューもチューもなし”ってのも、解決して。
「はぁ……また、キスしたい」
変態じみた言葉をこぼしながら、まだ唇に残ったままの熱を指で掠めとった。
「きゃっ、爆弾発言☆」
「……ヘンタイ」
まるで温度差の違うふたりにどやされながらお昼を終えた。
でも、その問題と同じくらい重要なことをあたしはすっかり忘れてたんだ。
そういえば、あたし――
言われてな……
黒板の文字が、ぼんやりとにじんだ。
……ちぇり!
なんて、キナと比奈の声を最後に意識を手放してしまった。
「……ん、」
ぼんやりと霞んだ視界の中、おでこに何かひんやりとしたモノを感じて重たいまぶたを持ち上げた。