恋して、チェリー
食事を片づけ終わった後のこと。
「ココ、ナナ、風呂入んぞ」
なんて、少し気を遣ってくれるハル。
きっと、あたしと恭一くんをふたりっきりにしてくれるつもりなんだ。
ぶっきらぼうだけど、本当はお姉ちゃん想いなのを知ってる。
「は~いっ」
トタタ……と、走るナナに比べココは恭一くんにべったり。
「入っておいで」
なんて優しく頭を撫でたのは、逆効果だったみたい。
「ココ、恭くんと入るっ」
衝撃発言の後、王子にギュムッと抱きついたんだ。
「ダ、ダメダメ……っ!」
あたしですら、一緒に入ったことないのに!
恭一くんの身体はあたしが守らなきゃ!
あ、あたしだけが知ってればいいの……っ。
変態思考がフル回転し始めたあたしは、
ココを引き剥がしにかかる。
「や~だぁ~っ」
「ダメだってば!恭一くんはもう帰るって!」
「ん~…っ!」
なかなか手強い。
必死で恭一くんの体に張り付く小さな体は、恐ろしい程のパワーで溢れていた。
もう……っ、コアラじゃないんだから!