恋して、チェリー


「ほら、お兄ちゃん困ってる」

ペリッと剥がし、小さな体を持ち上げた恭一くん。


「……ん、」

そのまま、自分の膝の上にココを立たせて。


「今度はココと入って?」

大人顔負けのセリフをこぼした後だった。


小さな両手が、彼の白い肌に添えられて。

そこからは、スローモションのようだった。



「……んっ」

目をつぶったココの唇と、恭一くんの唇が……


「ああああああーっ!」

くっ付いた。





ライバルは、すぐ傍にいた事。

しかも……い、い…妹…。



あたしから見ても、あの相手を虜にするような甘えっぷり。

許される範囲の可愛いおねだりにワガママ。


それにまだ小1のくせに……っ!

恭一くんと“お風呂に入る約束”も取り付けちゃって。


我ながら、やるな……なんてズーンと沈んじゃってた。




「ココの方が恋愛テクは上だな」

……うっ。

あたしが気にしてることをこうもサラッと……っ。


よぉし!
あ、あたしも反撃開始だっ。


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