恋して、チェリー
ピリピリと痛い位のオーラをまとった王子がチャラ男子に近付く。
「……ちっ、」
ガムを噛んでる方は何も言い返せないのか、舌打ちをし
「頼まれたんだよ!」
もう片っぽは、あっさりと白状した。
「――あ、誰に? 言ってみ?」
イライラがMAXに達した王子は、そいつに詰め寄った。
「し、知らねぇ……っ!」
「いくぞ!」
逃げ足だけは、異常に早かった。
「事件は迷宮入り」
「バカかお前は」
いつもよりちょっぴり早く突っ込んでくれた後。
「あんま心配かけさせんな」
あたしの手を引っ張ってくれたんだ。